【ブックレビュー】「顧客消滅」時代のマーケティング(小阪裕司)

2021/07/20

著者:小阪裕司
発売日:2021/02/26

こんな方にオススメ

  • お客様(見込み客含む)と、どのような関係を築きあげていけばよいかを悩んでいる
  • 何に注力していくべきかを知りたい

得られること

  • これからやるべきマーケティングの方向性のヒントが得られる

コメント

サクっと読める内容ですが、大事なエッセンスが掴める一冊です。

この書籍のみで「しっかりと実践する内容を作っていく」のは難しいかもしれませんが、取っ掛かりとして知識が得られるのでオススメです。

ピックアップ

以下、書籍より引用。

(P26)
実はコロナ禍の中、顧客は「選別」を行っていた。
今までなんとなく惰性で行っていた店に行けなくなった結果、「別にあの店に行く必要はない」という選択を行った。
あるいは「この商品は別になくても困らない」と考え、買うのをやめるという選択を行ったのだ。
その結果が、「いつまでたっても顧客が戻ってこない」の正体ではないだろうか。

(P32)
人々が買わなくなったのは「中途半端なもの」

(P40)
フローでなくストックの顧客を持っているか

(P50)
ここでもう一度強調しておきたいのは、「ストックとしての顧客」を持ち、「顧客へのアプローチ手段(顧客リスト)」を持っていれば、顧客が消滅するという危機が起きても「何らかの手が打てる」ということだ。

(P61)
では、BtoBにおける「フローからストックへ」とは何か。
最もわかりやすい例は、「メーカーによる直売」だろう。

(P79)
さて、ここで「マスク」と「鬼滅の刃」という二つの話をさせていただいたのには、理由がある。
顔の見えない「マス」を狙うのではなく、「ファンダム」を作り、育てていくこと。
これこそが「顧客消滅」時台のマーケティングの核心だと考えているからだ。

(P84)
これから顧客になっていく可能性がある人が「お客」である。
「お客」をいかに「顧客」にしていけるか。
それがフロー型からストック型へと移行するカギとなる。

(P88)
順序が逆なのだ。
まず、温める。
「仲良くなる」と言い換えてもいいだろう。
たとえば有益な情報を定期的に提供したり、無料イベントに招待したりする。
そうして仲良くなったあとに、「実はこんな商品があるのですが」とお勧めする。
それによってやっと、ごく一部の人が購買行動を起こしてくれるのである。

(P99)
「自分」を語れ!
自己開示は威力抜群。

(P106)
もう一つ、ファンダムを作るために効果的なものを伝えておこう。
それは、「祭り」だ。

(P108)
ファンダムの究極の形は「共創」である。

(P116)
こういう場合のファンダム作りのポイントの一つは、「共に学んでいく」ことだ。
一方的に説明を行う「商品説明会」ではなく、どのように商品を提供すればお客さんに喜んでもらえるか、ひいては業績を上げられるかを一緒に考えて、実践していく場を作るのだ。

(P125)
大事なのは「深く関わる」というより「いつも関わる」ことだ。
接触頻度をとにかく上げること。

(P135)
では、どのように「心が豊かになる」ビジネスを展開すればいいかというと、そのためにはまず、「自社はどんな価値を提供して、どのように心豊かになってもらうか」を考える必要がある。
また、「あらゆる人の心を豊かにする」のが難しい以上、自分たちが相手にすべき顧客は誰かを、ある程度絞り込むべきだろう。
それに合わせて、商品やサービスそのものを見直してみる必要も出てくるかもしれない。

(P148)
結局、仕事は相手があってこそ成り立つものだ。
いくら自分が「これこそが自分のミッションだ」と思っていても、それがお客さんに評価されなければ価値はないし、ビジネスも成り立たない。

(P150)
「人生においてミッションとは作るものではなく、発見するものである」

(P161)
心理学者クルト・レヴィンによる「変革の三段階」
「解凍」「変革」「再凍結」のプロセスを経てこそ、人は変わることができる。

(P162)
「なかなか動けない人」を動かす、とっておきの方法。
それは、「仲間の存在」だ。

(P176)
ちなみに、「顧客に価値を提供する」ためには、自分自身も価値の高い人間でいなくてはならない。
常に新しいことを学び、どん欲に取り入れる姿勢を持つこと。
それを忘れてしまっては、誰かに価値を提供することはできない。

(P178)
最後に言っておきたいのが、知識は知識で終わらせるのではなく「実績値」にしなくては意味がない、ということだ。
知識として頭に入れるだけでなく、それを「使える知識」に昇華させなくてはならない。

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